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いま「山口小夜子」という名前を聞いて、すぐにおかっぱ頭と切れ長の目が思い浮かぶ人はどれ位いるだろうか。1970年代以降、ファッションモデルとしてパリ、NYコレクションを中心に数多くのコレクションに出演。資生堂の専属モデルとしても象徴的な存在だった山口小夜子が、57歳で急逝してから8年が過ぎた。

2013年春、山口が晩年活動を共にした若い世代のアーティストたち、彼らと同世代で親交の深いキュレーターらが意気投合したことをきっかけに、それまで大切に保管されてきた遺品を公開し “山口小夜子を今に蘇らせる”プロジェクトがスタート。2年後に素晴らしい美術展『山口小夜子 未来を着る人』と本作につながる。

モデル、そして表現者として時代を駆け抜けた「山口小夜子」を知ってほしい。

生前、山口と交流のあった松本貴子監督はその思いで、遠くパリやロンドン、モロッコまで彼女をよく知る人物を訪ね歩き、クラウドファンディングで資金を集め、公開にこぎつけた。

カメラは山本寛斎、高田賢三、ジャン=ポール・ゴルチエら大物デザイナー、ファッション界関係者、高校の同級生などのインタビューを挟みつつ、山口が世界のトップモデルに上り詰める様子を追う。小夜子ファンにはたまらない貴重な資料や映像の数々だ。

80年代に入ると、舞踏グループ山海塾との共演、勅使川原三郎とのダンスパフォーマンスなど、コラボレートを通じてモデルから表現者として自分の幅を広げていく過程がよくわかる。

単なる懐古趣味ではなく、今なお輝く表現者・山口小夜子を知るに最適なドキュメンタリーと言える。小夜子ファンのみならず、彼女を知らない若い人たち、映画、演劇、ダンス、音楽などの活動をしている方々も、ぜひ足を運んでいただきたい。

『氷の花火 山口小夜子』新潟上映実行委員会